[大阪 31日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は31日午後、大阪市内で会見し、円高進行が日本経済に与える影響について「東日本大震災からの復旧・復興局面での急激な円高は、収益や輸出、企業マインドに与える影響が大きく、下振れリスクと意識している」と語った。
政府・日銀が同日に実施した為替介入は、相場形成に相応の影響を及ぼすとしたが、27日に実施した追加緩和を含め、金融政策運営は為替を直接コントロールすることが目的ではないとの見解を示した。
白川総裁は「為替相場の動きは景気・物価に影響を与える重要な要因の1つだ」としたが、金融政策は「為替相場に1対1で対応しているわけではない」と強調。
27日の追加緩和では、資産買入基金による長期国債の買い入れ規模を5兆円増額した。白川総裁は「金融だけで経済が動くわけではないが、中央銀行の立場から必要な金融緩和をしっかり行っている」と述べる一方
、国債買い入れ増などで金融政策が財政ファイナンスになっていると市場が認識すれば「先々の金融政策運営に対する信認が低下し、結果として長期金利が上がる。これはむしろ逆効果だ」と警戒感を示した。