ペパーミント・バニラビーンズ⑤「ねえ、にゃーんちゃん……紗夜が一人でいるか、とか、わかる?」
ペパーミント・バニラビーンズ⑤「もう少しだけ……甘えても、いいですか」
ペパーミント・バニラビーンズ⑦――でも、むかつく。
ペパーミント・バニラビーンズ⑦「リサちゃん落ち着いて! さっきから紗夜ちゃんの名前しか言えてないよ! わたしの名前は言えるかな? せーのっ!」
ペパーミント・バニラビーンズ⑧「……あなたが想う相手なのだから、魅力的な人なのでしょうね」
ペパーミント・バニラビーンズ⑧「湊さんに行かせたら今井さんをそのまま受け止めようとして衝突しかねないと判断しました。飛んだあとどうするかは考えていましたか?」とのことだ。友希那がぷくっと頬を膨らませたので、その話は終わってしまったけれど。
ペパーミント・バニラビーンズ⑩紗夜が平然とリサの手を受け入れるせいで、恥じらうタイミングがない。リサは内心で理不尽に怒ったあと、紗夜の服をぎゅっと握り直した。
ペパーミント・バニラビーンズ⑩紗夜は面食らったように目を丸くして、――驚いたことに、パッと頬を赤くした。すぐにそっぽを向いてしまったので、数秒しか見られなかったけれど、確かに。
ペパーミント・バニラビーンズ⑩いたずらっぽい笑みが見つけたのは、リサと紗夜の手がしっかりと繋がれている様子だろう。彩の前に立ったときに、紗夜の手がちょっぴり気まずそうに動いたのを、逃がさないよう捕まえたところだ。
ペパーミント・バニラビーンズ⑩「わたしから紗夜を奪ったのはリサちゃんよ。だったらきちんと捕まえて。そうでなきゃ紗夜、これから先ずっとひとりで生きてく覚悟を決めかねないわ」
ペパーミント・バニラビーンズ⑪あの日に決断したから、リサは魔法使いになった。友希那と同じ世界に来て、日菜と出会い、彩や花音と出会い、――紗夜に出会った。
ペパーミント・バニラビーンズ⑫痛む体を起こせば、日菜が背中を支えてくれた。紗夜と同じく呪いの効果を打ち消してもらったようだ。見れば、やっぱり紗夜と同じように、呆けた顔をしている。
ペパーミント・バニラビーンズ⑫どこの世界に友達と好きな人のお父さんを『守護霊の呪文』で吹っ飛ばす女の子がいるのだ。それだけではなくリサは地団駄を踏みながら、気絶した相手を罵倒していた。顔から火が出るどころではない。
ペパーミント・バニラビーンズ⑮寝不足で反応の鈍い紗夜は、おとなしくリサに引っ張られた。